忍び寄る「金利上昇」の影
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| 金利上昇警報発令中!その傾向と対策とは? |
こうした流れを受けて、日本銀行では長年継続してきた「量的緩和政策」の見直しを始めており、その“解除時期”をめぐって政府との綱引きが行なわれているのは周知のことと思います。大量の国債(=国の借金)を発行している政府にとって、金利が引き上げられることは、同時に借金の利払い(利息負担)が膨らむことを意味するだけに、極度の財政難にある政府にとっては低金利からの脱却を歓迎できない(=ゼロ金利の継続を望む)このような“裏”事情が存在するからです。
しかし、経済原則に立ち返れば、景気回復に伴い金利が上昇するのは自然な流れであり、政策的な力で必要以上に「ゼロ金利」を継続することは、市場のメカニズムに亀裂を生じさせ、バブルの再来につながりかねません。「失われた10年」にようやく終わりを告げようとしている最中、80年代後半のような失策(金融政策の失敗)を繰り返すことがあってはならないのです。従って、少なくとも現在のような低金利は終焉(しゅうえん)の時を迎え、近いうちに金利上昇が本格化するのは間違いないでしょう。
ローン返済増に家計がどの程度、耐えられるかがカギ
そこで、すでに住宅ローンを抱えている読者の方は「来(きた)るべき金利上昇」時代に備え、対策を練ることが欠かせません。その際のポイントは
『金利上昇による返済負担額に対し、家計がどの程度耐えられるか』
です。最近の住宅ローンは「金利タイプの変更」がかなり自由に行なえるようになっていますので、金利上昇リスクを心配する方は、あわてて固定金利を選ぼうとするでしょう。しかし、「より期間の長い固定金利に変更する」か「現状を維持する」かどちらの選択が賢明なのか、その判断基準は「どの程度の返済負担増までなら、現在の家計収入でまかなえる(=吸収できる)か」にかかってきます。金利変動に対するリスクをどの程度までなら受け入れられるか(リスク許容度)が重要なのです。
家計に余裕があり、多少、ローン返済が増えてもその分を吸収できるだけの十分な収入があるご家庭では、少しでも余分な利息負担を軽減すべく、現状のまま(=変動や短期固定を継続)据え置くといいでしょう。期間の長い固定特約型金利は変動や短期の固定特約型にくらべ利率が高くなりますので、変更後は毎月の返済額が増えることになります。中長期的にみて、金利上昇が今後も継続される見通しであれば“一時的”な負担増で済まされますが、予想に反して利上げの程度が鈍い場合や、逆に金利下降トレンドに戻ったとしたら、高利率による過剰返済負担を強いられることになります。
金利上昇リスクに対する“保険料”と割り切れる方は別として、余分な支出であると分かりながら支払い続けるのは決して得策といえません。反面、将来的な金利上昇リスクを抱えることにはなりますが、返済余力があるので過度に家計を圧迫する懸念は薄れます。予想以上に急激な金利上昇が起これば、その時点であらためて最善策を練り直しても手遅れにはなりません。
返済額が変わらない安心感 固定金利
一方、将来の収入に不安があるなどリスク許容度が低いご家庭では、長期固定金利へ変更するといいでしょう。長期固定金利は変動や短期固定金利にくらべて利率が高いので、その分、返済負担は大きくなりやすいのですが、毎月の返済額が変わらない“安心料”と考えれば納得できることでしょう。
下表の係数を利用すると、金利上昇に対して毎月の負担がいくら増えるのかが具体的に計算できますので、各ご家庭のリスク許容度をはかる際にご活用下さい。
<残存年数別 100万円あたりの毎月返済額(元利均等返済)> (単位:円)
| 残存年数 | 1.0% | 1.5% | 2.0% | 2.5% | 3.0% | 3.5% |
| 35年 | 2822 | 3061 | 3312 | 3574 | 3848 | 4132 |
| 34年 | 2892 | 3130 | 3380 | 3640 | 3912 | 4195 |
| 33年 | 2965 | 3203 | 3451 | 3711 | 3981 | 4261 |
| 32年 | 3044 | 3280 | 3527 | 3785 | 4054 | 4332 |
| 31年 | 3127 | 3363 | 3609 | 3865 | 4132 | 4408 |
| 30年 | 3216 | 3451 | 3696 | 3951 | 4216 | 4490 |
| 29年 | 3311 | 3545 | 3789 | 4042 | 4305 | 4578 |
| 28年 | 3413 | 3646 | 3889 | 4141 | 4402 | 4672 |
| 27年 | 3523 | 3755 | 3996 | 4247 | 4507 | 4775 |
| 26年 | 3641 | 3872 | 4112 | 4362 | 4619 | 4886 |
| 25年 | 3768 | 3999 | 4238 | 4486 | 4742 | 5006 |
| 24年 | 3906 | 4136 | 4374 | 4620 | 4875 | 5137 |
| 23年 | 4057 | 4286 | 4523 | 4767 | 5020 | 5280 |
| 22年 | 4221 | 4449 | 4685 | 4928 | 5178 | 5436 |
| 21年 | 4401 | 4628 | 4863 | 5104 | 5353 | 5609 |
| 20年 | 4598 | 4825 | 5058 | 5299 | 5545 | 5799 |
<計算例>
3年固定特約型(金利1.0%)で3000万円を借り、35年ローンを組んだ。3年後に特約期間が終わり、4年目に10年固定特約型(金利3.0%)へ金利タイプを変更すると
当初3年間の毎月返済額は8万4660円(2822×30) ・・・・・・(1)
→ 残存年数35年×金利1.0%により、係数は「2822円」
ローン残高3000万円(100万円×「30」)
4年目以降10年間(残債は2800万円)の毎月返済額は11万3512(4054×28)円 ・・・・・・(2)
→ 残存年数32年×金利3.0%により、係数は「4054円」
ローン残高2800万円(100万円×「28」)
(2)−(1)は2万8852円となり、毎月3万円弱の負担増となります。
※端数には誤差が生じます。また、ボーナス返済は「なし」で計算しています。
【ご注意とお願い】
「金利タイプの変更」については、各金融機関によって変更できる内容が異なります。また、変更に伴う事務手数料を徴収する金融機関もありますので、あわせてご確認下さいますようお願いいたします。
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